この記事を書いた人 misa 天運教会のカフェスタッフ。
普段は福祉系の職場で正社員として勤務。
休みの日は教会に通いながら、カフェの運営をしたり、趣味で料理やお菓子作りをしたりしています。
八王子市のとあるカフェ。
天運教会の1階にあります。
天運教会のカフェ立ち上げから4年。
この文章は、この小さなカフェと私の4年間の経緯(いきさつ)です。
天運教会カフェがスタート
天運教会のカフェを立ち上げたのは2019年。
教会に通う有志のメンバー数人でスタートしました。
私たちの関心、それは「この教会に通う大切な皆さんの健康」です。
当たり前かもしれないけれど、とにかくみんなにに元気でいてほしい。
神様が与えてくださった一人一人の命、体を大切にしたい。
そのような願いを込め、カフェのメニューは八王子市の小学校給食の基準に即して、化学調味料や食肉加工品などを使用せず、安全と健康にこだわりました。

日曜日の礼拝後、たくさんの方に食事を楽しんでいただき、皆さんの笑顔を見ることがカフェスタッフの喜びでした。
しかし、カフェをスタートしてたった数カ月。
2020年から、新型コロナウイルスの影響によりカフェでの食事提供はできなくなりました。
コロナ禍で食事提供ができなくなった
カフェスタッフの役割は、「教会で食事を提供すること」なのに。食事ができないカフェ、人が集えないカフェの存在意義って何でしょう?
それが見いだせなくて、「自分たちは何をしたらよいのだろう。」と、突然失った自分たちの使命に悩む日々。 そんな時、私たちを立ち上がらせてくれたのは教会の御言葉(みことば)でした。
苦痛を抜け出すためには研究をしなさい。方法も変えて行ないなさい。「易しく軽い方法」がある。
<2020年5月3日主日の御言葉 主題:研究し、努力して、易しくやろう>
神様と聖霊様と主の方法と御言葉でやってこそ易しく、喜びも有益も祝福も大きい。
神様と聖霊様と主と共にやったら、易しくできる。
この御言葉を聞いてから、私たちは毎週オンラインでミーティングを開き、カフェの研究をすることにしました。
ちまたカフェを巡ったり、天運教会の皆さんに教会カフェがどんな空間になったら良いかアンケートを取ったりもしました。
カフェのスタッフは、社会人として職場に通っている社会人のメンバーがほとんどです。
オンラインとはいえ、仕事終わりに時間を合わせてミーティングをすることは簡単ではありませんでした。やっとのことで二人だけ集まれた、そんな日もありながら、必ず一緒にお祈りをして、教会の御言葉を思い返して、話し合いを重ねてきました。
そのような試行錯誤の期間を経て、私たちの思いがかたちになりました。
カフェのモットー
『心も身体ももっと健康に』
「ただ普通に生命を維持できればよいのではなく、今よりももっと健康に、もっと元気になろう!」そう思って自分自身の心身を労われる人が増えてほしいという思いで決まりました。
そして、そのために私たちが大切にしていくことは
「人と人とを結び、愛・喜び・希望・平和で満ちあふれる空間にすること。
初めから終わりまで変わらない心でいること。
一人一人が個性を発揮し、光り輝くこと。」 これらの思いを胸に、またいつか教会を訪れる多くの方々をカフェでお迎えしようと決心しました。
カフェの運営ができなかったからこそ、悩みながらカフェスタッフが互いの思いを共有し合った時間。
それらを通してできたものは、カフェの基盤になる大切な信念でした。
このコロナ禍の期間も決して無駄ではない、神様が用意してくださった時間だったと感じます。
コロナ禍でオンライン料理教室開催
そして、一向にコロナ禍が収まる気配がない中、私たちの背中をまた押してくれたのもやはり教会で聞いた御言葉でした。
ある日の礼拝の御言葉で、「大きくできないときは小さくでもやってみよう」と教えてくださったのです。
そうだ。小さくても何かやってみよう。と、またカフェスタッフで話し合いを重ね、互いに会うことができない中でもそれぞれの位置で一歩ずつ歩みを進めていく努力をしました。
祈りながら、また試行錯誤しながらたどり着いたのは「オンライン料理教室」でした。
カフェのキッチンを使用し、Web会議ツールを使って参加したい人が自宅から料理を学べるというアイデアです。
天運教会に通う方やそのご家族と一緒に料理をしながら、栄養セミナーなども行いました。

「カフェなのに料理を提供できない」
その現実に落胆することなく、いつも前向きに歩みを進められるように神様が働きかけてくださいました。
どんな時でも肯定的に。もっと理想的にやってみよう。やればできる。
そんな神様の精神が私たちの心に臨んだのです。
カフェ再開へ
そして2023年。
新型コロナウイルスの感染対策の緩和に伴い、天運教会のカフェも少しずつ再開するようになりました。

これまで合計200名以上の方に足を運んでいただき、スイーツやドリンクを楽しんでいただきました。
本当に念願だった、カフェの再開。
新作のメニュー、「おいしい」という声、大切な人たちの笑顔、一つ一つがあまりにも大きな喜びとなって、胸が熱くなりました。
気が付けば、メニューのレパートリーも随分と豊富に増えました。
コロナ禍の期間、スタッフが各自の自宅で簡単に作れる健康的な食事やスイーツを研究し、実践してきたからこそ、もっとすてきなメニューを提供できるようになりました。


「努力は必ず報われる。」
という言葉がきれい事のように聞こえるかもしれません。
でも、真実なんです。
困難な状況でも、神様に祈り、願い求め、努力して行うならば、神様は必ず助け、成してくださる。
それも、もっと理想的なかたちで。
このカフェの経緯が、それを証明してくれました。
教会に通う前の私

ここからは私の話になります。
天運教会に通い始めて、わずか数カ月月でカフェの立ち上げスタッフとなった私。
元々自分に自信がなく、「自分にはできることがない」「自分は周りの人より劣っている」と、そう思っていました。
自分が嫌いで、自分の人生が嫌で、「自分が自分じゃなければいいのに」「あの人の人生だったら良かったのに」とさえ思っていました。
そんな私が唯一「ちょっとだけ良くできるかな」と思えたのが料理でした。
子どもの頃から、夕飯の時間になると食事を作って家族の帰りを待ったり、学生の頃は自宅に友人をたくさん呼んで料理を食べてもらったりしていました。
料理で誰かを笑顔にすることが喜びで、食べてもらう方々の反応を見て「個性も特技も特にないけれど、料理ならちょっとだけ良くできるかな」と思うようになりました。
だから大好きなこの教会と神様のために少しでも役に立てることがあるなら……という気持ちで、天運教会のカフェスタッフにチャレンジしてみることにしました。
あれから4年。
たくさんの人の力を借りながら、そして何よりも神様に助けてもらいながら、カフェが少しずつ発展する過程を見ていくうちに少しでも力になれた自分の個性や価値を感じられるようになりました。
あなたがたは、地の塩である。もし塩のききめがなくなったら、何によってその味が取りもどされようか。もはや、なんの役にも立たず、ただ外に捨てられて、人々にふみつけられるだけである。
〈マタイによる福音書5章13節〉
と聖書にありますが、料理には塩が必要不可欠なように、私の存在も必要だと認めてくださり、個性の味を発揮するようにと教えてくれ、自分には個性も取りえもないと思っていた私を最高に生かしてくれました。
私がいつも願っていたのは、笑顔あふれる食事の時間

また両親が共働きの忙しい家庭で育った私は、家族で食卓を囲んだ記憶がほとんどありませんでした。
いつもおいしい。けれど、何かが足りない。そんな食事。
大切な人と共に、笑顔で一緒に食卓を囲むこと。おいしいものを食べながら、家族でたわいもない会話をする小さな幸せをいつも願っていました。
そんな私の学生の頃の夢は、地域の人たちが気軽に集まり、一緒にテーブルを囲んで食事ができる、空間やコミュニティーをつくること。
真実な愛があふれる空間で、おいしい料理を食べ、みんなが心も体も癒やされる場をつくりたいと思っていました。
しかし気が付けば、教会でその夢がかなっていました。
誰が、心に抱いていた私の思いや描いていた夢を分かり、成せるようにできるでしょうか。
教会という場所には確かに神様がいると感じました。
そして夢がかなったと気付いた時、大きな喜びを感じました。
それは、「自分の夢がかなった」「目標を達成した」そういう喜びではなく、確かに存在する神様が、私に働きかけてくださっているのを知ったからです。
自分の価値も分からず、いつも寂しく思っていた私を愛し、希望であふれるようにしてくださったことへの喜びでした。
長くなりましたが、
天運教会のカフェを通して、神様がここで共にしてくださっていることや、神様が一人一人を愛してくださっていること、私一人を愛してくださっていることを感じた経緯を書きました。
これからも天運教会のカフェでたくさんの方に喜んでいただきたいなと思っています。
神様を信じていても信じていなくても、おいしい料理とすてきなインテリアを目当てに来ていただきたいです。
そして、来てくださった方をいつも変わらず温かい真心でお迎えしたいです。
愛を感じて、喜びを感じて、ほっとして、癒やされて、力を受けてもらえるようにしたいです。
神様、イエス様が私たちにしてくださっているように。
(撮影協力:shiho)